窓ガラスって平均どれくらいの価格なの?

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元々、小学校時代から近所の英会話教室にずっと通っていた姉は、その培われた語学力を更に伸ばすために大阪の外国語系の大学に入学し、現在は家族から離れて関西地方で一人暮らしをしています。

彼女は元々「耳」が良かったらしく、ずっと教わってきていた外国の講師に、「あなたはとても英語を聴き取る力がありますね」と感心されていました。耳で正確に発音を聴き取れる人間にとって、時間をかければそれを自分の口で発音するのはさして難しいことでは無いようで、高校を卒業するころには姉はTOEIC試験で850点を突破するほどの語学力を持っていました。
僕にとって、このように一芸に秀でた姉は家族として誇らしいのですが、実は反面、本人の壊滅的な家事能力の低さを知っている身としては、何だか非常に微妙な気分になります。

そうなのです、小さいころから英語をずっと勉強してきた姉は、言い換えると「それしかマトモにしてこなかった」タイプの人間で、ひどく一般常識にうとい部分があります。
先日も、「掃除してたら手が滑って下宿の窓ガラスを割ってしまった」とのことで、「弁償することになっちゃったんだけど、窓ガラスって平均どれくらいの価格なの?」と母に電話で尋ねていたようです。ちなみに、姉の割ったガラスサイズは800×900センチで、厚さが3ミリメートルのものなら一万円を越えるらしく、母がため息交じりに「あんたは気を付けてね」と僕に教えてくれました。

あの卓越した英会話スキルは、きっと他の部分を色々と犠牲にした結果なんだろうなぁと思うと、姉ほど一芸に秀でてしまうのも問題なのかもと思う僕なのでした。